ドローンによる郵便配達、国土交通省が初承認へ

ドローンによる荷物輸送の活用が叫ばれて久しいですが、このほどついに日本郵便が申請したドローンによる遠方への荷物輸送を国土交通省が承認したとして話題になっています

国土交通省がこうした飛行計画の承認を行うのは初めてです
これまでの航空法では操縦者か補助者が目視できる場所での飛行に限られていましたが、9月の規制緩和の際に一定の条件のもと、目視を行えない遠方であっても飛行を認める旨の改正が行われました
一定の条件とは「高度150メートル未満で且つ、山や川、海などの人が立ち入る可能性が低い場所」となります

申請を行ったのは福島県の小高郵便局で、同郵便局と浪江郵便局の9キロメートルの飛行ルートをフライトさせる計画となっています
日本郵便によると飛行は11月から開始する予定だが、当面は実際の荷物の輸送は行わず試験飛行を重ねていくとしています
将来的には全国に運用範囲を広げ、過疎地域や離島などでの活用を見込んでいるとのことです

今回のニュースは9月の規制緩和を受けて承認された形となりましたが、この緩和された規制に対しても追加基準が設けられています

  • 安全を確保するため、異常時には付近の安全な場所に着陸させられる機能を有すること
  • 急な天候の変化を察知できるシステム(カメラや気象センサー)を備えていること
  • 離着陸場所を無人地帯とし柵などを設けること

となっています

つまり、国交省としてはあくまでも無人地帯で飛行させることという原則は変えておらず、多くの人が望むであろう「自宅までの配送」は現時点では難しい要件となっており、ドローンの離発着場(今回のケースでは郵便局)まで荷物を取りに行く必要はあるということになります
ただ、今回の郵便局にせよ他の宅配業者にせよ配達のサービスを行っているわけですから、利用者が離発着場まで出向かなくても自宅にはこれまで通り配達してくれるというスタイルは変わらないということになりますね

ネット通販の発達によって配送業者に負担がかかってしまっている現在ですが、将来的には「送料無料でドローン離発着場まで届けてくれる」サービスと、「有料オプションで自宅まで配送してくれる」サービスとに分かれていったら面白いかもしれませんね