ドローンタクシーに続いてドローン警察 加速するドバイのドローン活用

hoverbike s3
画像出典:HOVERSURF

ドローンタクシー「EHANG 184」が話題のドバイ。あまりドローンに関わらない方でも耳にする機会が増えてきたのではないでしょうか?
ドローンに人を乗せるという活用方法を推し進めている印象のドバイですが、次は警察への1人乗りドローンバイクの導入が現実味を帯びてきたということで話題になっています

ドローンバイク「Hoverbike」

今回話題となっているのはアメリカカリフォルニアに拠点を構えるホバーサーフ社が開発した「Hoverbike」という空飛ぶバイクです

見た目はこのように、4枚羽のクアッドコプターをそのまま大きくしたような形をしています。人が乗るのにクアッドコプターで、安全面は大丈夫なのかなと心配になりますが、軽量化のためにはやむを得なかったということなのかもしれません

これまで「Hoverbike」は改良が重ねられており、現在は3世代目となる「Hoverbike S3」というバージョンに仕上がっています
初号機の開発は2016年でしたが、昨年ドバイ警察への導入が決定されると開発スピードが一気に加速し、現在のS3モデルに至った形となります
この度ドバイの広報部門が、このホバーバイクを飛ばすための訓練を正式に開始したということをツイートし話題になっています

ホバーバイクS3の特徴は、まずカーボンファイバー製のモノコックボディとなっている点。前モデルはアルミボディだったのですが、カーボンファイバーを採用することで重量を1/2に抑えながらも機体の剛性を維持しているということです
振動や安定性がどの程度なのか、具体的なことは公開されていませんが、座席は人間工学に基づいて設計されており、安定を保つための軸も5cm間隔で配置されているため、どのような機体姿勢であっても安定して座ることができるとしています

「Hoverbike S3」の性能

ホバーバイクS3
画像出典:HOVERSURF

ホバーバイクS3は、バッテリーにリチウムマンガンニッケル電池を採用しています。マンガンの安全性と低抵抗性と、ニッケルの高エネルギー性の良いとこ取りを狙ったハイブリッド電池です
リチウムと比較して化学的に安定しており、高価になってしまうビルトイン保護回路が必要ないこともセールスポイントとしています
この電池の採用により、ホバーバイクS3は10分~25分のフライトが可能であるとしています(ライダーの体重や気象条件によって変動)
満充電までの時間は家庭用電源でも2.5時間とのことなので、まずまず実用的な範囲ではないでしょうか

機体重量は114kg。これは前モデルと変わらないのですが、前述の通りフレーム重量を1/2に抑えることが出来たため、その分をバッテリーに回すことでよりハイパワー&長時間の飛行が可能になったとのこと。なお重量114kgというのは法律によって制限される重量であるそうです

最高速度は96km/hとなっています。こちらも法律によって制限されているとのこと。白バイやパトカーと比べるとずいぶん遅いような気もしますが、ホバーバイクS3は安全面とのバランスもとりつつ、地上5mの高さで運用することをベースに考えられていますので、道路や障害物に縛られず追跡が可能なためこのぐらいの速度でも十分なのかもしれませんね
またドバイ警察にホバーバイクが導入されることが決定された2017年、ドバイ警察の人工知能部門ゼネラルディレクターのKhalid Alrazooqi氏は「行くのが困難な地域の初期対応として活用するユニットだ」と述べており、市街地や取り締まりには使われないのかもしれません

個人でも買える?

これが気になる方がどれだけいるのか分かりませんが(笑)
もし「欲しい」と思った際にホバーバイクを購入することが出来るのかというと……買えます!
ただし色々とややこしくなっていますのでざっくり説明します

まず基本的なお値段ですが$150,000です(!)
そして注文にはまず「予約保証金」が必要となります。これが$15,000先払いで必要です
続いて予約が可能になると、今度は凡そ半額の$70,000を支払う必要があります。そして製品を受け取れる段階になったら残りの$70,000を支払うといった流れで購入することになっています。支払いは基本的にpaypal経由です。ちなみにこの価格には輸送料は含まれていませんのでその点も注意が必要です。まあこの製品を買うような人は輸送料が別途必要なぐらいでオタオタしたりはしないのでしょうけども(笑)

さらに費用はかかります。このホバーバイクを扱うためには、講習の受講が必須となっています。こちらの受講費用が$10,000かかります。この費用の内訳は

  • ホバーサーフ社ハンガー利用料
  • 空港の出入り
  • 3泊の宿泊料
  • プロトレーナーについてもらっての3日間の講習料&コース使用料
  • カスタムフライトスーツ

となっています。唯一無二の存在ですので仕方ないのですが、ちょっと高いような気もしますね。なお、講習は最高に上達が早いセンスのかたまりのような方は3日間で終えられますが、基準に達していない場合は長期滞在が必要になる可能性もあるとのことで、その際にはさらに予算が必要になることも覚えておいて下さい

 

日本では完全にアウトなドローンとなりますが、ドバイでどのように活用されるのか、今からとても楽しみにしています

関連サイト
HOVERSURF R&D公式サイト:https://www.hoversurf.com/
Hoverbike製品紹介ページ:https://www.hoversurf.com/orderyours

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