FPVドローンの作り方 レーサー機自作で目指せ! ドローンレーサー
当校では新しく「レーサー機自作講習」を始めることになりましたが、実際にはどんなことをやるの? と、いまいちイメージも湧いてこないと思います
そこで今回は講習のイメージを掴んでもらう意味でも、FPVドローンの自作方法をドドンと公開致します
これさえ見ればドローンが作れてしまうかもしれませんので、ある意味自爆行為なのですが、講習内容の参考にしていただければと思います
これを見て自分で挑戦してみるも良し。それでも「不安だなぁ」とか「よく分からないなぁ」という方は、ぜひ当校のドローン自作講習受講を検討していただければと思います☆
目次
FPVドローン(レース用ドローン)自作に必要な部品
まずはレーサー機(FPV仕様)を自作するうえで必要になる部品を解説致します
- フレーム:ドローンの骨組み。各パーツを配置していきます
- モーター:動力部です。電力で回転します
- ESC:ブラシレスモーターを制御するための部品です
- フライトコントローラー:ドローンの頭脳とも言えるメインコンピューターです
- 受信機:プロポからの指令を受信するためのユニットです
- バッテリー:動力源です。LiPoバッテリーが使われます
- VTX:映像送信器です。FPVをやるためには必須ですが、映像がいらない人には不要な部品です
- カメラ:映像を撮影するためのカメラ。FPVをやるためには必須ですが、映像がいらない人には不要な部品です
- アンテナ:映像を送受信するためのアンテナです。送信機(VTX)用と受信機(ゴーグル等)用の2つ必要です
- ゴーグル:映像を映すためのモニターです。ゴーグルタイプが人気です
あと写真を忘れましたが当然プロペラが必要になります。7番以降はFPVをやらないのであれば不要な部品になります
FPVとは「First Person’s View」の略で「一人称視点」という意味になります。まるでドローンに乗り込んで操縦しているかのように操作できることからこの名が付きました
そのためには当然、映像を撮るカメラや映すディスプレイ、映像を飛ばすVTXと呼ばれる送信機などが必要になるわけですね
FPVドローンの組み立て方
部品が用意出来たら早速組み立てを行っていきましょう。ちなみに部品はピンキリで山のような種類がありますが、選択のコツは「出来るだけハンダ付が少なくて済む部品を選ぶこと」です。ドローンの基板は小さく穴も空いていないことが多いため、ハンダ付に慣れている人であっても結構難易度が高めです。最近はビルトイン・プラグインで出来るだけハンダ付をしなくて済むような部品がどんどん出てきていますので、なるべくそうしたものを選んだ方が良いです
また、ネット上に情報の多い、いわゆる「売れ筋」のパーツを選ぶことも重要だと思います。マイナーなパーツをチョイスすると、トラブった時ににっちもさっちもいかなくなって詰むこともありますので……
もちろん性能重視であったりこだわりがある場合にはその限りではありませんが、初心者の方には上記のものをおススメします
組み立てを行う際に必要となるものは以下になります。必須でないものもありますが、作業効率が全然違ってきますので用意しておくと良いと思いますよ
- ハンダごて&こて台&ハンダ(できれば温度調節機能のあるもの)
- 六角ドライバー
- 精密ドライバーセット
- 特殊ドライバー(円形になっているタイプ)
- プライヤー
- ねじロック剤
フレームを組み立てる
まずはフレームを組み立てます。と言っても全部ではなく、底の部分とアーム部を組み立てます
組み立て方はフレームによって違いますが、マニュアルが同梱されていますのでそれに従って下さい。いきなり六角ドライバーが必要になる可能性が高いですのできちんと用意しておいて下さい
ここはそれほど悩むことは無いと思います
こんな感じになります
モーターをマウントする
アームが取り付けられたら次はモーターをマウントしていきます。固定は付属のネジで行って下さい。モーターの取り付け時にはねじロック剤で固定するとより良いと思います
ここも特に難しいところは無いと思いますが、このあと行うESCとの接続のための線が伸びていますので、取り付けの向きには気を付けて下さい
こんな感じで配線が内側に向いていれば大丈夫です
ESCを取り付ける
本来はここでPDB(パワーディストリビューター)という分電盤を取り付けるのですが、最近はESCとセットになっているものも多いです。今回使用したESCもPDB機能込みでかつ、4つのESCが一つになったものを使います。便利な時代になりました
ここからが頑張りどころとなりますが、モーターから伸びている線をESCにハンダ付けしていきます。小さい基板で隣との間隔も狭いですので、ショートさせないように注意して下さい
穴が空いていないタイプの基板なので、基板側に予めちょこっとハンダを付けておいて、配線につけるハンダとくっつけるイメージで行うとやりやすいのではないかと思います。キレイなハンダ付は至難の業ですが頑張ってください
こんな感じになります
今回はPDBを兼ねたESCですので、モーターの配線の他にメインコネクタとコンデンサもハンダ付します
こんな感じになればOK。メインコネクタはバッテリーコネクタの抜き挿しを頻繁に行いますので、頑張ってしっかり付けておかないと後で泣きを見ることになりますので気を付けて下さいね。他の作業中にはずれたりして私もよく叫んでいます(笑)
FCを取り付ける
続いてFC(フライトコントローラー)を取り付けます。本体に取り付ける前に、先にFCにハンダ付けする部品を付けてから本体へマウントします。今回はブザーと受信機をハンダ付けしました
受信機はコネクタPINで接続できるFCも多くなってきていますので、そうした場合はここで受信機を接続する必要はありません。今回使用するFCはハンダ付けが必要なタイプでしたので頑張ってハンダ付けします
そして肝心のFCの取り付けなのですが、今回使用したFCはなんとドローンにマウントするだけで自動的に下段のESC兼PDBと接続されます
ESCに重ねることで、FC裏面から出ているピンがブスリとそのまま刺さる仕様になっています。本当に、良い時代になりました
VTXを取り付ける
FCを取り付け終わったところです。続いてVTXを取り付けていきます
今回使用したVTXはESC、FCと同じシリーズのもので、こちらもハンダ付け不要。重ねるだけで自動接続される仕様となっています
ちなみにVTXを搭載したら、無許可で電源を入れてしまうと違法となりますので注意して下さい
必ず無線局の開局申請を済ませ、承認が下りてから電源を入れるようにして下さいね。無線局開局については無線協会等のサイトにてご自身でお調べ下さい。講習を受講していただいた方には、このあたりの点も解説しております
アンテナを取り付ける
VTXが取り付けられたら次はアンテナを取り付けます
差し込むだけですので何も難しいことはありません
支柱(スタンドオフ)を立てる
ESC、FC、VTXがうまく取り付けられたら、天板を取り付けるための支柱(スタンドオフ)を取り付けます
カメラを取り付ける
ドローン前部にカメラを取り付けます。今回使ったVTXはカメラ映像もコネクタを差し込めばOKなタイプのものですので簡単でした。ハンダ付けが少ない部品を選ぶことが重要ですと言った意味が分かってきたのではないでしょうか
このような形になります。スペースにブザーも配置しました
天板を取り付ける
全ての部品が取り付け終わりましたので、天板を付けて仕上げに入ります。ベルクロファスナーはバッテリーを固定するためのものです
このような形になります。見慣れた形となりましたね
電源が入るか確認する
電源がきちんと入るかを確認しましょう
もし余裕があるなら、ESCを付けた時、FCを付けた時、VTXを付けた時などでもそれぞれ電源を入れてみると、トラブルがあった際の原因特定が楽になりますのでやった方がいいです。今回は流れを覚えていただくためにこのような順番で解説させていただきました
このような形でドローンを作っていきます
このあとはPCと接続して各種調整・設定を行ったり
ゴーグルディスプレイと接続したりといった作業が待っていますが、ひとまず今回は作り方の解説ということで、機体完成までをご紹介させていただきました
講習ではこれらも全て解説していきますので、結構みっちりした講習となっています。余程慣れている方でない限りは丸一日掛かってしまいますので、フライトは後日のサービスとなっております
全ての設定が終了し、無事起動することが確認できたらESCやカメラのケーブル等を結束バンドなどでピチッとまとめるようにして下さいね。中には取り付けの時からまとめてしまったり、三つ編みで編み込んでしまう人もいますが、不具合があった場合には取り外さないといけなくなることもありますので、仕上がってからまとめる方が良いと思います
ここから先の設定やバインドは楽勝……かと思いきや、むしろトラブルが発生することの方が多いです。特に多いのは「ドローンとPCを接続できない」というものと、「全部調整したのにドローンがARMしない」というものでしょうか
レーサー機自作講習ではこのあたりもサポートしていきますが、製作から設定まで含めると、どのぐらいスムーズに進むかは慣れていても正直ちょっと予測がつかない部分があります。不具合が出たらトライ&エラーを繰り返すしかありませんので、夕方前にすんなり講習が終了する人もいれば、夜遅くまで時間を費やす方も出てくるかもしれません。最悪の場合はメーカー問い合わせが必要になり、後日仕上げる、という可能性も無くはないです
しかし決して見放すことはせず、最後まで対応させていただきますのでご安心下さい
もし興味を持っていただけましたら、ぜひとも「レーサー機自作講習」の受講を検討していただければと思います
よろしくお願い致します