DJI Mavic2 Pro用のレンズフィルターを複数リリース バリエーション増加だが悩みも…

Mavic2 Pro レンズフィルター
画像出典:DJI

Phantomの新型が発表されない現在、DJIのコンシューマー向けフラッグシップ機といっても過言ではないMavic2 Proですが、この度レンズフィルターの雄であるNiSiフィルターから6種類のレンズフィルターが発売されました
ラインナップは以下の通りとなっています

  • NDフィルター
  • PLフィルター(偏光フィルター)
  • エンハンスドPLフィルター
  • ND/PLフィルター
  • GNDフィルター
  • ナチュラルライトフィルター

全てのフィルターにおいて、航空機用アルミで作られており、フレーム自体は1.5gという超軽量であることに加え、反射や色かぶりを最小限に抑えていること、表面は撥水・撥油効果を持つナノコーティングを施されていることが特徴です
DJIからはNDフィルター(それもセットで)しか発売されていませんので、選択の幅が広がることは嬉しいですね
それぞれについて詳しくご紹介していきたいと思います

ただ、バリエーションが増えたことは嬉しいのですが、カメラのレンズフィルターとは違う問題というか、いまいち痒いところに手が届かない点についても触れていきたいと思います

NDフィルター

まずはNDフィルターです。NDフィルターはレンズが取り込む光量を抑えるためのフィルターで、カメラを扱ううえではかなり使用頻度の高いフィルターとなっています

Mavic2 Proは絞りの調整が可能となっていますのでNDフィルターがなくても色が飛んでしまうという事態は避けられることも多いですが、絞りやシャッタースピードを任意に固定して撮影したい場合にはNDフィルターが必要となるケースが出てきます
風景を撮ることが多いドローンではあまり絞り開放せず、多少絞ってパンフォーカスで撮影することが多いと思いますが、PV的なものを撮る際に被写界深度の浅さを活かした表現がしたい場合や、動きものなどでシャッタースピードをフレーム数もしくは、1/フレーム数×2程度に抑えたい場合にはお世話になることとなります
ラインナップと価格はこちら

  • ND4:2,580円
  • ND8:2,580円
  • ND16:2,580円
  • ND32:2,580円
  • ND64:2,580円
  • ND256:2,580円
  • ND1000:2,980円

濃度が上がっても価格がそれほど上がらない点は評価したいのですが、フィルター径の小ささを考えるとND4でも2,580円というのは高い気がします
さらに、カメラのレンズフィルターと違ってフィルターの重ね付けができない構造となっているところがとてもツラいところです。通常のカメラだとND4とND16を買っておいて、それでも明るければ重ねてND64、というような使い方で間に合うことが多いのですが、このフィルターではそうした使い方ができません
必要なバリエーションを全て買わないといけないのはちょっと残念です

PLフィルター

PLフィルターは光の反射を抑えるためのフィルターです。ガラス越しや水面で効果を発揮するほか、被写体の色を忠実に再現するのに効果のあるフィルターとなっています
お値段は3,580円

エンハンスドPLフィルター

通常のPLフィルターよりも高彩度な表現を可能とするためのフィルターです。Mavic2 Proは10bit色深度での撮影が可能でダイナミックレンジを広くとれるため、こうしたフィルターがラインナップされているようです。Rec709準拠の動画に仕上げるなら不要と思いますがHDR動画を作りたい方には必要になるケースも出てくるのではないでしょうか
お値段はこちらも3,580円です

ND/PLフィルター

1枚でNDフィルターとPLフィルターの両方の効果を持つフィルターです。フィルターの重ね付けさせてくれさえすればこんなものは買わなくてもいいのに…と思うとちょっと悔しいですね。どんどんお金がかかってしまいます
ラインナップは以下

  • ND4/PL:3,580円
  • ND8/PL:3,580円
  • ND16/PL:3,580円
  • ND32/PL:3,580円
  • ND64/PL:3,580円

こちらも必要な濃度の分だけ個別購入となりますので「高い!」と感じてしまいます

GNDフィルター

いわゆる「ハーフNDフィルター」です。フィルターの半分ほどだけがグラデーションでNDフィルターになっており、明るすぎる部分だけを抑えてくれます。例えば、夕焼けを表現したいんだけど露出を空に合わせると地上のディテールがつぶれてしまう、といった場合などに効果を発揮します
ラインナップは以下

  • ソフトGND8:2,980円
  • ハードGND8:2,980円

ソフトとハードの違いはグラデーションの境界面のなだらかさです。ソフトはゆるやかなグラデーション、ハードはくっきりとしたグラデーションになります

ナチュラルライトフィルター

なかなかユニークなフィルターで、「光害」をカットしてくれるフィルターだと説明されています。夜景撮影時の水銀灯やナトリウム灯といった演色性の低い光をカットする効果があります。演色性が低い光源が「光害」なのかという疑問はさておき、表現したい作品によっては効果を発揮するのではないでしょうか
お値段は2,980円です

おわりに

ということで、今回様々なフィルターが発売となりました。バリエーション豊かなのは素晴らしいことだと思います
ただ、重ね付け不可という点だけがどうしても不満だなぁと感じてしまいます。プロならフィルターの重ね付けは邪道だと思う人もいるかもしれません(実際にはプロでも重ね付けしてる人も多くいます)が、Mavic2は高性能とはいえ民生用機ですので、もう少しライトユーザーに配慮した設計にしてほしかったというのが正直なところです

一応このあたりを考慮してか、数種類のフィルターがセットになった各種キットとしても売り出されていますので、興味があればそちらも見てみて下さい

フィルターを活用して、作品の幅を広げられるといいですね

関連サイト

DJI公式サイト:https://www.dji.com/jp
NiSiフィルター公式サイト:https://nisifilters.jp/
NiSi該当製品紹介ページ:https://nisifilters.jp/product-category/camerafilter/drone