夜間でも鮮明&ズーム撮影可能なDJI Matrice200用ナイトカメラ「Sky Eye-10NLT」が登場

DJIのフラッグシップドローンであるMatrice200に搭載可能な光学10倍ズーム&夜間撮影可能なカメラが登場しました
「Sky Eye-10NLT」という名前のこのカメラのスペックや活用法に迫ってみたいと思います

Sky Eye-10NLTのスペック

Sky Eye-10NLT
画像出典:Yangda

非常に強力なナイトビジョンシステムが搭載された「Sky Eye-10NLT」。そのジンバルはDJI Skyportをベースに開発されており、Matrice200とシームレスな互換性があります。メーカー発表ではMatrice200の記載しかありませんが、恐らくMatrice200シリーズという意味で、実際にはMatrice210への搭載も可能と思われます(未確認ですので、導入を検討される方は必ずメーカーへお問い合わせ下さい)

売りとなるポイントとしては「光学10倍ズーム」という点と「夜間での低照度撮影可能」という2点になろうかと思います

カメラ自体の性能に関しましては、超低照度で撮影可能な1080P/30fpsで撮影可能なシステムに加えてIRレーザーを補助光とすることで、夜間であっても300m先までの被写体を撮影可能であるとしています
撮影感度は0.001lux/F1.5と暗所に非常に強力。ただしこちらは白/黒での数値となりますのでご注意ください。通常撮影におきましてはカラーでの撮影が可能です
※仕様表には0.01luxとの記載もあり詳細不明。こちらも導入を検討される方はメーカーにきちんとお問い合わせ下さいませ

Sky Eye-10NLTのもう一つの大きな特徴として「自動追跡機能」があります。これはアプリと連動して動作し、画面上のターゲットをタップするだけでジンバルが自動的に追跡を行ってくれるという機能になっています。追尾撮影のような複雑な飛行をするには習熟が必要で、慣れていない方はインテリジェントフライトモードを活用するなどの手段もありますが、飛行方法は限定されてしまいます
カメラが自動追尾してくれるのであれば飛行方法は自由度が広がり、面白いですね

製品の仕様は以下の通りとなっています

  • 重量:700g
  • センサーサイズ:1/2.9インチ 400万画素 CMOS
  • ズーム:光学10倍 デジタル12倍
  • 記録方式:1080p/30fps (圧縮規格H.265) オンボードTFカードに記録
  • 低照度性能:0.05lux/F1.5(カラー時) 0.01lux/F1.5(モノクロ時)
  • IR補助光範囲:300m
  • ジンバル:3軸
  • その他機能:自動オブジェクトトラック、ジオタグ
  • 価格:お問い合わせ($5,000程度という噂です)

DJI純正品なのか

結論から言うと違います。こちらの製品はYangdaという中国のドローンショップが独自に開発したカメラとなっています
そのためDJIのサポート等は受けられず、使用に関しては完全な自己責任となりますのでご注意下さい

ちなみに9/24現在、正式な日本展開はしておりませんので導入されたい方は個人輸入という形になります

Yangdaの公式サイトはこちらになります(海外サイトです)
YANGDA:http://www.yangdaonline.com/
商品ページ:http://www.yangdaonline.com/sky-eye-10nlt-1080p-10x-night-vision-zoom-camera-for-dji-m200/

活用方法は?

このカメラが活用できる場面というのはどのような場合が考えられるのでしょうか

まず、センサーサイズの小ささや解像度の低さから考えて普段使いのカメラにすることは厳しいと思われます。レンズについての詳細は明かされていませんが正直なところDJIや他のカメラメーカーほどの映りが期待できるとは思えません

夜間にドローンを飛ばすためのカメラということになりますが、赤外線のように熱探知できるわけではありませんので被写体はあくまでも自分で見つける必要があります。害獣駆除等に使うのも難しいのではないかと思います
が一方で、夜間業務での点検、例えば高速道路等での深夜集中工事や夜間警備などでは輝く場面もあるのではないかと思います。見えにくいものを見つけることには向いていませんが、決められた対象物を撮影したり決められたルートを飛行したりという場面において日中に近い感覚の「目視」で飛ばすことができるというのは強みになるのではないかと感じます
そう考えると10倍ズームレンズというのも、夜間飛行の際に視認性を高め、それでも残るリスクに対してより距離を確保して撮影できるよう搭載しているというのは理に適っていると言えますね

 

作品を生み出すためのカメラではありませんが、これらの特定の場面・用途でドローンを飛行させる必要のある方にとっては意義のある製品なのではないかと思います